ツチボタル
かのバーナード・ショーに「世界で8番目の不思議」と言わせしめたその美観を演出するのは、星屑たちではなく、ツチボタルと呼ばれる昆虫だ。しかし彼らは美の奉職者でもなく、観光収入目当てに光る訳でもない。ここは幼虫たちの狩り場なのだ。
ツチボタルの幼虫は、粘液の玉が並ぶ「玉スダレ」を天井から吊り下げると、蛍のように発行する。飢えるほどに輝きを増すその光こそが、この星々の正体であり、邪知に長けた罠なのだ。
その輝きに魅せられた羽虫は、憑かれたように星の世界に飛んでゆく。だが、その魅惑の青い光は真っ赤な偽物、気が付くと羽虫は粘液糸で全身をからめ取られている。糸はもがくほどにその身を縛り、その震動を感知した幼虫は獲物をたぐり寄せ、身動きならぬ犠牲者に食らいつき、肉をかじり、体液をすするのだ。
だが、こうして獲物を食い、旺盛に生き続けた幼虫は、蛹を経ると、消化器官はおろか口さえ持たない、交尾して卵さえ産めば用済みの、わずか3日で命を閉じる、はかない成虫へとなり果てる。
そして幼虫の罠にかかる獲物には、この哀れな親虫も含まれる。
「またまたへんないきもの」より抜粋
なんつー生き物だ・・・
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売上ランク:19224位
レビュー平均:4.3点 (22人がレビュー投稿)
5.0点 バッタリ出逢ったらどうしよう^^ |
2.0点 うんざり |
5.0点 前作とあわせて欲しくなる |
出版日:2005-12-10
出版社:バジリコ
カテゴリー:単行本
作者:早川 いくを 寺西 晃
ページ数:176
by 通販最速検索 at 2011/07/29
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